コーチングが繋いでくれたご縁
先日、女性のキャリアを応援する素晴らしいコミュニティにて「自分軸を大切にしながらやりたいことを叶える」というテーマでお話をする機会をいただきました。
その機会を下さったのは、女性のキャリア支援を行っていらっしゃる古川敦子さん。敦子さんは、スターバックスやANAのCAとして活躍された経験があり、人々とじっくり関わり、成長を支えることが自然にできる女性という印象を持っています。ご自身のキャリア構築の経験をもとに、現在はキャリアデザインコーチとしてたくさんの女性のキャリア構築を支えられておられる、軸がしっかりとした、爽やかで美しい女性。
私が敦子さんと出会ったのは、彼女とのコーチングセッションがきっかけでした。アメリカに住み始めて5年。自分のキャリアや生き方を振り返りながら、半年、1年、3年、5年後・・・と今後歩んでいきたい方向性について考える中で、「自分の心と身体、そして自分らしさを大切にしながらキャリアを積んでいきたい」「いつか、自分らしいキャリアや人生を築いていくサポートをしたい!」とつぶやく私に、敦子さんはとても清々しい笑顔で「私のコミュニティで、自分を大切にした働き方や生き方についてお話をしていただけませんか?」と声をかけてくださったのでした。
打ち合わせ中には、こんな点に視点を当てて話すのはどうか?この部分に響いたけれど、どう思いますか?と、敦子さんから問いかけをくださいました。テーマを設けて、講義やプレゼンテーションという形で知識や学びをシェアする機会が時々あるのですが、対談形式で自分について語る機会は、今までほとんどありませんでした。聴きに来てくださるコミュニティメンバーの皆さんにとって面白く役に立つ話にならなかったらどうしようか、と不安がよぎることもありましたが、私が一番伝えたいことに焦点を絞り、お話させてもらいました。敦子さんはじめ、聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました!
私にとって自分軸を大切にすることとは?
当日は、敦子さんのテンポの良い質問に答える形式でお話を進めていく中、自分軸を大切にした働き方とはどういうものなのか、私自身が噛み砕いて考える、気づきの時間となりました。まず、自分軸を整えることとは、私が感じることを一番大切にすることだという気づきがありました。
How do I feel? 自分の感覚を一番大切にして日々を過ごすことは、日常生活の延長線上にあると思います。日々、自分にできる問いかけはたくさんありそうです。
- 何を食べたい?
- 何をしたらわくわく、ハッピーな気持ちになれる?
- 今、何したい?
- 何が自分を心穏やかにさせてくれるだろう?
- どういう人たちと時間を共にしたい?
- 何をしているときに夢中になる?
限られた環境の中でも、自分にとって一番心地よい感覚が分かっていると、その状態に自分を持っていく=理想の状態を作り出すことができると思います。初めから最高の感覚に出会えたら、それはとても幸運です。心地よい感覚がわかるのは、もしかしたら自分にとって嫌な体験を通してだったりするかもしれません。
私は、学生の時に「夢中になれる感覚」「わくわくする感覚」に出会っていたのですが、その感覚に再び辿り着くまで、何年もかかりました。さらに、仕事やアルバイトを通じて苦手なこと、得意なことを経験して、心地よい感覚・心地よくない感覚を身につけました。一度嫌な経験をすると、「もうあの経験はしたくない!」と思うので(笑)、私たちは自然と心地よい感覚だけを求めていくのかもしれません。そうすると、「自分はこうしたい!」という願望がうまれ、そこに自分軸が出来あがっていくように思います。
自分軸を貫くために、交渉力も必要!?
自分軸を貫くと言うと、ちょっと頑固者のように捉えられてしまいそうです。交渉という言葉も、自分の思うように物事を持っていくという響きがして、実はあまり好きではありません。でも、自分を大切にして働くためにはまずは自分の意見を伝え、周りと上手に調整し、お互いが納得いく点を探っていくこと=交渉がとても大切であることを、アメリカに住み始めてより一層強く認識しました。
アメリカで勉強する大学院生は、学期末になると必ずと言って良いほど、提出物の締め切りを伸ばす交渉をしていました。以前の職場では、締め切り期限に気付かない素ぶりをしている同僚もいました(笑)。周りの学生や同僚を見ていて、そうやって自分を守るのね!と気付くことがたくさんありました。
私は、働く環境にこだわりがあったため、まだ在宅勤務の制度が確立されていなかった当時の職場で試行的にテレワークをさせてもらったことがありました。その時、静かで周りに人々がいない環境で仕事ができると、こんなにも仕事が捗るのだな!という気づきがありました。また、何かあった時には同僚が近くにいないとコミュニケーションが取りづらいなということもありました。
自分にとって心地よい働き方を見つけるために上司らに掛け合い、実践できたことは、色んな気づきを得る上でとても良かったと思います。また、自分にとって心地よい働き方が見つかったことが小さな自信にもなりました。
アメリカに移住してからは、言い出しにくいことについても、相手に自分の意思をきちんと伝えることが必要でした。中でも気まずかったのは、大学院生とフルタイムの仕事を両立していた際に、業務時間中に授業に出席する許可を申請した時のこと。
「決められた仕事は必ず期限内に終えるようにするので、業務時間をフレキシブルに使わせてください。」とお願いし、大学への移動中や授業の休憩中に電話をしたり、メールを打ったり、出張中のホテルで夜に宿題を進めながらも、約3年間にわたる大学院生活を乗り切りました。数年前までフロリダ大学で教鞭をとっていたという、理解ある当時の上司には、感謝してもしきれません!
言い出しにくいこと、お願いしにくいことなどは日々たくさんある中で、「さぁどうやって言い出そうか。」と頭の中をグルグルと回転させていることがあります。そんな時、「あなた、それ言ってみても失うものは何もないんじゃないの?」とさらっと口にしてくれる人生の先輩の言葉が、背中を押してくれることもあります。「僕は交渉上手な国で生まれたから、毎日交渉して生きてるよ!」と胸を張っている同僚もいます(笑)。
まずは相手に自分の気持ちや主張を伝え、双方が納得できるポイントを上手く調整していくことで、自分軸を大切にして行動することができるのかと思います。
おわりに
コミュニティでの対談を通じて、様々な舞台で活躍する素敵な参加者のみなさまと響き合い、「自分軸を大切にした生き方」について振り返るとても良い機会となりました。
自分軸のようなコンセプトを噛み砕いて言葉にし、話したり、書いたりして自分で意味づけしていくことは、とても強いパワーを持つと思います。これは、私自身がコーチングを通じて学んだこと。このような機会をくださった敦子さんと、聴きに来てくださった皆様とのご縁に感謝です!!
今回ご紹介した、コーチの敦子さんは、コーチングの他にも多様なキャリアを築く女性が集うコミュニティを開催されています。次回のコミュニティ生の募集は8月だそうです。
これまで、私自身が数々のコミュニティに属してみて、住んでいる国や地域を超えて、それぞれが多様な人生を送りながらも、同じ目的を持って歩んでいく仲間と定期的に交流できることの素晴らしさを日々実感しているところであります。このような素晴らしいコミュニティの輪が、ますます広がっていくと良いなと心から思います!