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話題の映画「イン・ザ・ハイツ(In the heights)」のロケ地巡りをしました!

マンハッタンで「イン・ザ・ハイツ」ロケ地巡りをする!

数々の賞を受賞したミュージカル「ハミルトン」を作った、リン=マヌエル・ミランダの作品「イン・ザ・ハイツ(In the Heights)」。以前こちらのブログで紹介をしたのですが、様々な葛藤を抱えながらも、夢や希望を持ちながらドミニカ系移民の人達が精一杯日々を生きる物語。日本でもいよいよ、もうすぐ公開されますね!

歴史的にも実に様々な国の移民の人々が住み、その足跡が残るニューヨークのマンハッタンやクイーンズの街並みが私は大好きです。大学で中南米地域について専攻したこともあり、様々な中南米地域の人々が住むニューヨークの街角に触れ、色んな発音や表現が混じり合うスペイン語を聞いたり、地域特有の食べ物に触れると、とてもワクワクします!

今回、ニューヨークに滞在する機会があり、「イン・ザ・ハイツ」の映画を思い出しながら、ロケ地巡りをしました。

さすがにロケ地の全てを周ることはできなかったものの、地下鉄に乗り、車窓の景色を眺めながら、マンハッタンの200番Stまでのぼり、レストランや公園、街並みや人々の生活を見ることはとても楽しいものでした。以下では、その一部を紹介したいと思います。

レストラン「Floriditas Bar & Restaurant」- 207 St

ロケ地巡りの最初の到着地は、私が一番楽しみにしていたレストラン「Floriditas Bar & Restaurant」。名前からして、とても親しみがわきます。映画では、ニナと父が二人で食事を取っている場面で登場します。ちなみに、「Floriditas」はこの地域に複数展開しているようですが、実際に映画で使われたのは、Inwood(インウッド)という地域にあるレストラン。最寄りの駅は207stになります。

インウッドにあるFloriditas!24時間営業です。By 筆者

コロナの影響もあり、お昼時でしたがレストランは空いていました。男性が一人でランチをとっていたり、家族でご飯を食べにきている人も。ドミニカ共和国やプエルトリコの伝統食Mofongo(揚げた甘くないバナナと豚肉の皮などを潰して丸く型どった食べ物)を食べている人が何人かいました!みんなコーラやソーダと合わせてご飯を食べているところがまた、中南米らしいなと思いました。

その他にも、選べないほどたくさんのメニューがあります。メニューの表と裏を合わせると、100種類を超えるのではないでしょうか。カリブ海地域の料理以外にも、サンドイッチ、スープ、タコス、セビーチェなど、色んな料理がありました。24時間営業なので、朝ごはんからデザートまで、本当に何でもあります!私達はチキンサンドイッチとチキンスープを注文しました。

サンドイッチからシチューまで豊富なメニュー By 筆者

さらにこのレストランで良かったところは、店員さんがとても元気で、常にお客さんに声をかけながら働いているところ。「もうすぐご飯来ますよ!」「どう、美味しい?」「こっちの方がおすすめよ。」「他に何か欲しいものあったら言ってね!」。うまく表現できないのですが、カリブ海地域のスペイン語でリズミカルに話しているところに、何だかとても愛着を感じたのでした。

食後に周りを歩いてみると、食堂、タコス屋、スーパーなどがありました。看板や標識などはもちろんすべてスペイン語。スーパーの外に出されている野菜を見て、あぁ中南米系の人々が住む街だ!という印象を受けました。

駅のトンネルに広がる壁画 (グラフィティ)- 191st

地域のみんなに愛されるクラウディアおばあちゃんがPaciancia y Fe(辛抱強く、希望を持って・・・)の曲を歌いながら歩くトンネル。そこには、とてもカラフルなGraffiti(グラフィティー)、壁画アートが登場します。そのトンネルは、191 st駅にあります。

191 St 駅の出口の様子 By 筆者

このトンネルは、地下鉄191stの駅構内から直結しており、駅の反対側に出るために日常的に使われています。こちらは数年前にGraffitiがすべて消されて、壁にはほとんど何も描かれていなかった頃のトンネル内のビデオの様子。もしも、毎日夜中にここを一人で歩いて帰らなければならないとしたら・・・、そしてもしも周りに誰もいなかったらと想像すると、とても怖い。歩いたら3-5分ほどかかる、それくらい長いトンネルなのです。

191St駅からつづくトンネル内の様子(2014年頃) By Dna Info

現在のトンネルの様子は正直あまり手入れが行き届いてはいない様子。ゴミや水漏れも多少見られました。とはいえ、トンネルには色とりどりのGrafittiが残っているので、上の写真と比べると明るいイメージはありましたし、何人か観光客らしき人々も見られました。

ここまで長いトンネルに、アートが描かれている光景は他では見られないと思うので、機会があれば昼間に訪ねてみられることをおすすめします。ただ、トンネルは自転車も通れるので、ものすごいスピードで後ろからやってきたりします。安全には十分気をつけてください!

191St 駅トンネル内のGrafittiの様子(2021年) By 筆者

Santo Domingo Grocery (サント・ドミンゴ食料品店)- 175st

一番初めに登場する映画のメイン舞台であり、主人公のウスナビが働くBodega(ボデガ)= 食料品店。

ウスナビが働く食料品店 By筆者

この食材店は現在 Santo Domingo Grocery という名前で、175StとAudubon Aveの角にあります。このあたりにはいくつか同じような食材店がありますが、映画を見た方は、「あ、ウスナビのボデガだ!」と気づくことができると思います。

映画に登場する店内は、別の舞台設定のもとで撮影されたため、実在する店内とは全く異なります(笑)。それでも、マンハッタンでよく見られるBodega(ボデガ)は私が住んでいる地域では閉まってしまいほとんどないですし、中南米のスナック菓子やドリンクがところ狭しと並んでいるSanto Domingo Groceryのような食料品店は、まさにこの地域を象徴していると思いました。

Santo Domingo Grocery 店内の様子 By 筆者

Santo Domingo Groceryに行かれる場合、 191番から南に歩いていくと、ワシントンハイツの街並みや人々の生活の様子を垣間見ることができて、面白いです!

木陰に机を引っ張り出して、カードゲームをして盛り上がる大人たち。消火用の水道栓を開けっぱなしにして車を洗車したり、水遊びをするひとたち(笑)。

映画の中でPiragua(かき氷)を売っている男性(実はリン=マヌエル・ミランダ監督)が登場するシーンがあります。ワシントン・ハイツでは実際にPiraguaを売る男性(piragüero)がカートをひいて歩いていました。カリブ海地域では一般的かもしれませんが、真夏のニューヨークでは、夏らしい光景だなと思いました。

Piraguaを売るおじさんの後ろ姿! By 筆者

J. Hood Wright Park – 175st

最後は、登場人物のニーナとベニーが登場する公園(J. Hood Wright Park)。公園の奥の方にある高台に登ると、ハドソン川に架かるマンハッタンとニュージャージーを繋ぐ壮大なGeorge Washington Bridge が広がります。映画に登場するBreatheという曲中で、「ニーナ、あなたはどうしたいのって、GW Bridgeが尋ねているよ」といった歌詞があるのですが、まさにそのシーンを思い出すような光景。Breatheは私が映画の中で一番気に入った曲で、記憶によく残っています。

よく晴れた日に、J. Hood Wright Parkから見える景色 By筆者

George Washington Bridge はよく見ると、いったい何車線あるのだろうか?と思うほど、ものすごく大きな橋。1階と2階を合わせると14車線ほどあるようですが、平日はものすごく渋滞するようです。それとは逆に、この公園はとても穏やか。

広い敷地内にはピクニックをする人々、本を片手に一人で読書する若者たち、会話に盛り上がっている大人達、ノートに書きものをする若者・・・とみなそれぞれ、週末の時間を楽しんでいるようでした。

おわりに

今回、夏休みを利用して、映画の舞台となったワシントン・ハイツインウッドと呼ばれる地域を訪ねました。マンハッタンのおよそ160番から190番街までがワシントン・ハイツの地区に該当するようです。

マンハッタン中心部からこの地域まで、地下鉄1番線に乗り、およそ45分ほどかかりました。1番線で北上するにつれて、カリブ地域系の人々が乗車してきて、そうでなさそうな人は私達だけのようでした(笑)。

映画を観て、さらにロケ地周辺を歩いてみると、ドミニカ系移民の人々が住むワシントン・ハイツにはこのような景色や日常生活が広がっているのだなと、ほんの一部ではあるものの、肌で感じることができました。街のヘアサロンやネイルサロンなどはとても賑わっている様子。

街ゆく人の髪型、服装、スーパーで売られている食材などを見て、まるでプエルトリコの街を歩いているような気分になりました。そんな一部を紹介できたらと思い、今回このブログ記事を書きました!

もし機会がありましたら、ぜひワシントン・ハイツを訪ねてみることをお勧めします。

木陰でカードゲームを楽しむ大人達 By 筆者