カバーレターの目的とは?
私がアメリカの大学院に進学、会社に就職しようと試みて動き始めた時、カバーレターをどう構成すれば良いのかいつも悩んでいました。たくさん書いたことのある人はきっと想像できると思いますが、応募するごとに書かなければいけないし、意外に時間もかかりますよね。
カバーレターは志望動機や自己PRであるという説明を目にすることがあります。しかし、日本の志望動機書のように「なぜ働きたいのか?」想いや情熱を伝えることが主な目的ではなく、募集要項に類似する職務経験やスキルをどのようにして得てきたのか、なぜ自分が応募する職種にふさわしい人材であるか、ストーリー性を持って簡潔に伝える文書であるという考えに至っています。カバーレターは、自分の知識や経験が求められている条件に合致しているということを文書を通じてアピールする絶好の機会と言えます。
カバーレターをたくさん書いた経験のある私の視点から、大事だと思う手順とポイントをいくつか紹介します。
カバーレターを準備しよう
カバーレター作成の書き方に関するサイトはたくさんありますが、ここではカバーレター作成の準備段階から構成に至るまでの手順を簡潔に説明します。
- 募集要項(Terms of Reference)をよく読み、求められる職務経験(key experience)を2-3個特定する
- 募集要項で使われている重要なキーワード3-4個を選択する
- ①で特定した職務経験に対応する自分の経験を②で特定したキーワードを用いてノートにまとめる
- 最大4段落で各段落(パラグラフ)の構成を考える
④について、各段落は以下のようにまとめることをお勧めします。
- パラグラフ1: 募集要項にそった内容での実績や経験を大きな視点でまとめる。自分がなぜ募集する人材に相応しいか、一番最初に簡潔に伝えましょう。
- パラグラフ2: 求められている職務内容に類似する業務を実際に行った経験を書く。履歴書の書き方でもお伝えしたように、ここでもAction Verbsを使うようにしましょう。②で特定したキーワードを用いることや経験を数値化することが大切。
- パラグラフ3: 求められている職務内容に類似する業務の続きです。この時、求められるソフトスキル(コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ)なども組み合わせて書くと良いでしょう。
- パラグラフ4: 最後の段落でまとめます。仕事を通じてどのようにチームに貢献できるのか簡潔に示した上でしめましょう。
書き終わったら、フォントサイズや文字数の確認を行います。私の場合、大抵文章が長くなる傾向になるので、文書を短くするのに時間をかけています。フォントのサイズは11-12、文字数は500文字以内に抑えると宛名を加えても1ページに収まります。
最後に
カバーレターを一通り書き終わったら、提出前には可能であれば第三者に見てもらうことをお勧めします。思わぬミスに気がつくかもしれませんし、もっと適切な言い回し方法についてアドバイスを受けられるかもしれません。私が初めて国際機関の仕事に応募した時は、世界銀行に在籍していた昔の同僚や、英語で書くのが上手な友人に添削してもらいました。第三者に読んでもらいフィードバックを受けることで、外国語で表現する力はさらに上がっていくことでしょう。
冒頭でも述べたように、カバーレターは自分の職歴やスキルについて、物語性を持ってアピールできる唯一の機会です。募集要項をきちんと分析し、準備を行うことはとても大切。その上で、募集要項に合致する経験は強調することでメリハリのあるカバーレターを心掛けるようにしましょう。
カバーレターには一体何を書けば良いの?