コーアクティブコーチングとの出会い
アメリカに移住してちょうど5年と数ヶ月が経ちました。これまで本当に色々あったけれど、あっという間の5年間。今日は自分を振り返り、グローバルなキャリアを歩むための目標設定の大切さについて綴ります。私の場合は、コーチング型研修を通じてこのことを実践的に学びました。
2015年春、今からちょうど6年ほど前に、アメリカ大使館 広報・文化交流部が開催する「Alumni Leadership for Women’s Empowerment」という研修に約半年間参加しました。大使館のプログラム担当者やコーチングサービスを提供する会社(株式会社ウエイクアップ)の講師の方々が5ヶ月も構想を練って提供してくださったプログラム。本当に素敵なファシリテーターの女性達に囲まれて、貴重な半年間を過ごしました。
その時出会ったのが、コーアクティブコーチング(Co-active Coaching)。研修のタイトルをリーダー育成研修と捉えた私は、「私はまだまだ勤め先でもチームを育成する立場にいないし・・・大丈夫かな?」と思ったのですが、コーアクティブコーチングが目指しているのは、一人一人の中にあるリーダーシップを育てることでした。「自分はいつもどのようにして表現するのか?」「自分は何者であるのか?」こういった問いを掲げ、まずは自分のコミュニケーションパターンをよく認識することから始まりました。
リーダーシップ研修には、実に様々な年代、職種の男性、女性が参加しており、自分のコミュニケーションの傾向について分析する他、グループワークを通じて、日々のリーダーシップの発揮の仕方=どんな自分の出し方をしているかについてお互い共有し合い、フィードバックを受けることで、さらに自己理解が深まったことを覚えています。
5年後の目標を設定する
コーアクティブコーチングを用いた研修の中で、5年後に達成したいことを掲げたアクションプランを提出してくださいという宿題がありました。「アクションプランは声に出してみんなの前で読み上げた方が効果的です!」というファシリテーターの方々の問いかけに魅せられ、私は恥ずかしながらも手を挙げ、最終回で発表することに。私はその翌年には、アメリカへ移住することを決めていたため、主に次のようなことを発表しました。
- 英語とスペイン語をさらに磨いて、2言語を用いて仕事をしている
- 中南米とつながりのある仕事に従事
- 研究または本を出版
- 相手に自分の主張を明確に伝えられている
- 様々な文化を尊重しながら同僚や友人と上手にコミュニケーションが取れている
当時、アメリカでの就職先についてはまだ目処が立っていなかったのですが、あたかもグローバルなキャリアをすでに歩んでいるかのように書いていますね。今振り返ると、100点満点とはいきませんが、この時自分で設定した行動計画をかなりの確率で達成できている気がします。もちろん、継続して学んでいることも、たくさんあります。
フィードバックが力になる!
この講座でさらに良かったのは、参加者およそ30名の方から自己分析や行動計画に関するフィードバックを書面により受けたこと。フィードバックカードを読む時は、何が書いてあるんだろう?と緊張を伴いましたが、聞き手が私の課題分析や今後の行動計画をどのように読み取られて、どのような反応をされたのか、建設的なフィードバック(反応)を貰えたことがその後の自信や支えにもなったのでした。このフィードバックカード、今でも大切に保管しています。
一つだけ、頂いたフィードバックを匿名にて共有します。
綿密によく考えられたAction Plan の発表をありがとうございます!人の中にいることやネットワークを作ることがお好きなのだということが伝わってきました。他人に対して敏感、繊細というコメントがありましたが、私も同様です。でも、それは決してマイナスではなく、諸刃の剣だと思います。それだけ、相手のニーズや変化を丁寧に汲み取ることができていらっしゃるとお見受けしました。軸のある理念やビジョン、必ず達成されると思います。
私も、他の発表者の方々が報告された素晴らしい行動計画にフィードバックをさせていただきました。相手の可能性に対して心を開き、自分の気づきについてコメントさせてもらうこと。これは、相手だけではなく、自分にも作用し影響することなのだなと改めて感じました。自己理解に基づく課題の分析と目標設定。それが短期であれ、長期のものであれ、ある程度の計画や方向性について文字にし、言葉にし、時には声に出すことはとても大事。それに対してフィードバックを得ることは、さらに効果的。コーアクティブコーチングは、このことを実践的かつ参加者と共に楽しめる方法で教えてくれました。